# DiaGramma for Excel バージョン 1.0.2 **DiaGramma for Excel** は、Excel上で選択したデータ範囲から、 Adobe Illustrator で編集しやすい SVG 形式の花粉ダイアグラムを 出力するための Excel アドインです。 花粉分析・古生態学のデータ、とくに多数の試料と分類群を含む 大きな花粉ダイアグラムを想定しています。出力された SVG は、 Adobe Illustrator などのベクター編集ソフトで開いて編集することを 前提としています。 --- ## バージョン Ver. 1.0.2(初期ベータ版) --- ## 主な機能 - Excel上で選択した範囲から花粉ダイアグラムを出力 - Adobe Illustrator で編集しやすい SVG ファイルを作成 - 5種類の描画スタイルに対応 - Area Only - Bars Only - Line Only - Area + Bars - Line + Points - 縦軸には実際の深度値を使用 - separator row によるグラフ区切りに対応 - 分類群ごとに SVG group を分け、Illustrator上で編集しやすい構造にする - SVG は元の Excel ブックと同じフォルダに保存 - Excel `.xlam` アドインとして動作し、専用の Ribbon タブから実行可能 --- ## インストール方法 1. アドインファイル `DiaGramma_for_Excel.xlam` を、英数字のみのパスにあるフォルダに保存します。 推奨例: `/Users/yourname/Documents/DiaGramma/` 2. Excel を開きます。 3. メニューから `ツール > Excel アドイン...` を開きます。 4. `参照...` をクリックします。 5. 以下のファイルを選択します。 `DiaGramma_for_Excel.xlam` 6. アドイン一覧で DiaGramma のチェックが入っていることを確認します。 7. Ribbon に **Pollen diagram** というタブが表示されれば成功です。 --- ## フォルダ名・ファイル名に関する重要な注意 現在のベータ版では、日本語やその他の非 ASCII 文字を含むパスで、 Excel VBA がエラーを出す場合があります。特に Mac Excel で発生する 可能性があります。 「パス名またはファイル名が無効です」などのエラーが出た場合は、 Excel ブックとアドインの両方を、英数字のみのフォルダに移動して 試してください。 例: `/Users/yourname/Documents/DiaGramma/` これは既知の問題であり、将来のバージョンで改善される可能性があります。 --- ## データの準備 出力したい範囲を Excel 上で選択してから、DiaGramma のボタンを クリックしてください。 想定しているデータ形式は以下の通りです。 - 1列目:Composite depth - 2列目以降:分類群ごとの値 - 1行目には分類群名を入れることができます - すべての分類群の値が 0 の行は separator row として扱われます 例: | Composite depth | Taxon A | Taxon B | Taxon C | |---|---:|---:|---:| | 0.10 | 12 | 4 | 0 | | 0.20 | 15 | 3 | 1 | | 0.30 | 0 | 0 | 0 | | 0.40 | 8 | 2 | 5 | この例では、深度 0.30 の行が separator row として扱われます。 --- ## ヘッダー行と部分範囲の出力 DiaGramma for Excel では、以下のどちらの形式でも出力できます。 1. ヘッダー行を含む範囲 2. ワークシートの途中から選択した、データだけの範囲 選択範囲の左上セルが数値でない場合、その最初の行をヘッダー行として 扱います。 選択範囲の左上セルが数値の場合、その範囲はデータのみとみなされます。 この場合、DiaGramma は各分類群の列について、選択範囲の上方向を検索し、 最初に見つかった「空白でない・数値でない文字列」を分類群名として 使用します。 これにより、長い花粉ダイアグラムの一部分だけを選択して出力しても、 正しい分類群名を保持できます。 --- ## SVG の出力方法 1. 花粉データを含む Excel ブックを開きます。 2. 出力したい範囲を選択します。 3. Ribbon の **Pollen diagram** タブを開きます。 4. 使用したい描画スタイルのボタンをクリックします。 5. 表示される入力欄にファイル名を入力します。 6. SVG ファイルは、元の Excel ブックと同じフォルダに保存されます。 ファイル名に `.svg` が含まれていない場合は、自動的に拡張子が追加されます。 --- ## 描画スタイル ### Area Only **Area Only** は、分類群ごとに塗りつぶし面グラフのみを出力する スタイルです。 - 面は緑で塗りつぶされます - horizontal bars は描かれません - 各分類群は1本の SVG path として出力されます - separator row で分かれた部分は、同じ path 内の複数の closed subpaths として保存されます --- ### Bars Only **Bars Only** は、horizontal bars のみを出力するスタイルです。 - 値が 0 の場合、bar は描かれません - bars は長方形ではなく、線分として描かれます - line cap は `butt` に設定されており、bar の先端が突出しません - 初期状態では、Area + Bars スタイルの bars より少し太めです - Illustrator 上で stroke width を変更すれば、bar の長さを変えずに 太さだけを調整できます --- ### Line Only **Line Only** は、分類群ごとに折れ線グラフのみを出力するスタイルです。 - separator row によって、グラフは複数の open subpaths に分かれます - line join と line cap は丸く設定されています - 塗りつぶし、bars、points は描かれません --- ### Area + Bars **Area + Bars** は、DiaGramma の標準スタイルです。 - 各分類群に area / polygon path が作られます - horizontal bars は別 path として描かれます - 値が 0 の bar は描かれません - separator row によって、グラフは複数の subpaths に分かれます - area path は標準では塗りつぶされません - bars は `stroke-linecap="butt"` で描かれます --- ### Line + Points **Line + Points** は、折れ線グラフにデータ点のマーカーを加えた スタイルです。 - points は実際の SVG `` オブジェクトです - points は分類群ごとに group 化されます - 値が 0 の試料には point marker は描かれません - Illustrator 上で、circle をまとめて選択し、色・サイズなどを 簡単に変更できます --- ## Illustrator での編集 出力される SVG は、エクスポート後に Illustrator で編集しやすいように 設計されています。 Illustrator 上では、たとえば以下のような編集ができます。 - 分類群ごとに選択・編集する - stroke width、色、塗りを変更する - bars を area path とは別に編集する - Line + Points スタイルで point markers のサイズを変更する - 図の構成要素を並べ替えたり、ラベルを修正したりする SVG の構造は、画面表示だけに最適化するのではなく、Illustrator での 編集しやすさを重視して、意図的に単純な構造にしています。 --- ## 大きなデータセットについて DiaGramma for Excel は、大きな花粉データセットを扱うことを想定しています。 縦方向の間隔は、実際の深度スケールを反映します。ソフト側では、 ダイアグラムを1ページに収めるような自動調整は行いません。 最終的な縮尺調整、ページレイアウト、出版用の調整は、SVG 出力後に Illustrator などのベクター編集ソフトで行ってください。 --- ## 現在の制限 これは初期ベータ版です。以下の制限があります。 - 主に Mac Excel でテストされています - ファイル名やフォルダ名に日本語などの非 ASCII 文字が含まれると、 エラーが出る場合があります - Mac Excel で保存ダイアログが不安定な場合があるため、このベータ版では 保存ダイアログを使っていません - SVG は元の Excel ブックと同じフォルダに保存されます - カスタム Ribbon アイコンはまだ含まれていません - 現在、Ribbon のすべてのボタンは一時的に Office 内蔵アイコンを使用しています --- ## ベータテスト時の推奨事項 初期ベータ版では、以下を推奨します。 - Excel ブックとアドインを英数字のみのフォルダに置く - 取り返しのつかない元データではなく、コピーしたデータで試す - 最終図に使う前に、出力された SVG を Illustrator で確認する - エラーが出た場合は、以下の情報とともに報告する - Excel のバージョン - OS - workbook のパス - 選択したデータ範囲 - 使用した描画スタイル --- ## Credits 作者:中川 毅 立命館大学 古気候学研究センター 本ソフトウェアの作成にあたっては、ChatGPT(OpenAI)による支援が 決定的な役割を果たしました。 --- ## ライセンスと配布について これは、研究協力者からのテストとフィードバックを目的とした 初期ベータ版です。 --- ## 連絡先 質問、フィードバック、不具合報告は、作者までお知らせください。